手術ではない現在注目のオルソケラトロジーとは?
近視や乱視の治療には色々なものがありますが、その中でも最近注目されているのがオルソケラトロジーです。
手術による視力矯正には抵抗があるという人にもお勧めであり、夜間寝ている間に特殊なレンズを装用するだけで、日中の間は眼鏡やコンタクトをせずに過ごすことができます。
現在手術によって視力を矯正する方法としてレーシック手術がかなり普及しており、レーザーを照射して近視や乱視を正確に矯正することが可能ですが、一度行ってしまったら元には戻りません。
角膜を削ってしまうので目が弱くなってしまうという指摘もあり、施術を躊躇する人も大勢いるようです。
オルソケラトロジーの場合はレンズを装用しなくなれば元に戻りますので、安全性という面で非常に優れています。
オルソケラトロジーとは夜間装着のコンタクトレンズによる視力矯正方法
使用されるのは一般的に使われているようなコンタクトレンズではなく、特殊な形状のハードコンタクトレンズです。
このコンタクトレンズの裏面で角膜を圧迫して角膜のカーブを変えることによって近視や乱視の屈折を矯正する仕組みになっており、近視の矯正効果は8時間から36時間程度となっています。
このレンズの特徴として、中央部分が扁平になっているために角膜に圧力をかけられるようになっており、補正の効果は人によって異なります。
万が一治療を止めたくなった場合でも、装用しなければ2~3日かけて少しずつ戻っていき、最終的には1カ月程度が経過すれば元通りになりますので、取り入れるのに心理的なハードルは高くありません。
オルソケラトロジーの注意点
メリットが色々あるオルソケラトロジーですが、覚えておかなければならない注意点ももちろんあります。
裸眼での物の見え方はコンタクトレンズや眼鏡を使用した場合と比べると劣りますので、見えにくいと感じることがありますし、夜間に視力が低下したり日内変動やコントラスト感度の低下といった問題もあります。
また、屈折補正の効果が十分に得られるのは弱めの近視であり、強度近視になると別の方法が必要になる可能性がありますので、適用可能かどうかを検査でしっかりと確認しなければなりません。
屈折異常の程度が酷い人はレンズを外した後の戻りが大きいので、利用できたとしても1日の中での見え方の変化に不便を感じる可能性が高くなります。
オルソケラトロジーのリスクについて
非常に酸素透過性能の高い素材から作られていますが、角膜中央部に変形させるほどの圧力をかけているのですからリスクがないわけではありません。
角膜障害が起こることもありますので定期的な検診は欠かさず行わなければなりませんし、正しく使えるように毎日のお手入れもしっかりと行う必要があります。
酸素透過性の高い素材の場合には汚れがつきやすくなり、汚れの中には細菌が存在しますので眼病を引き起こす原因にもなり得ます。
ですから、レンズは必ずこすり洗いをして、ケースの洗浄と乾燥も徹底すべきです。
オルソケラトロジーを検討するならまずは眼科専門医へ相談しよう
一般的なコンタクトレンズは今では気軽に購入できるようになっていますが、オルソケラトロジーを始めたい時には眼科専門医による検査を受けて処方をしてもらうという流れになります。
受診をすると、まず最初に適性検査が行われて、問題が無いことが確認されたら無事に処方されます。
装用を開始しても最初のうちはこまめにチェックしてもらわなければなりませんので眼科に通うのですが、きちんと検査を受けることで安全に利用できるようになりますので面倒くさがらずにきちんと検査を受けましょう。
視力安定に時間がかかれども裸眼で過ごせるのは大きなメリット
レンズを使い始めたばかりの頃はなかなか視力が安定しませんが、少し経つと徐々に安定してきて使いやすさを実感できます。
メガネやコンタクトレンズを手放せない人にとっては日中の間に裸眼で生活するというのは夢のような話ですが、オルソケラトロジーなら何も使わずに快適な視力を維持できますのでとても便利です。
使うのは専用のコンタクトレンズではありますが、一般のハードコンタクトレンズとほぼ同じですので、取り扱いが簡単なのも見逃せないメリットです。
適用年齢は幅広く、10歳~65歳位までが対象となっていますので、このことからもいかに安全性に優れているのかを知ることができます。
仮性近視や中程度までの近視に効果的
装用すると近視の進行を抑制することができますので、仮性近視の人や子供の近視にも効果が期待できます。
中程度の近視までなら問題なく効果を得ることができ、元に戻したいと思えば装用を止めるだけで解決しますので、利用しやすい方法であることに間違いはありません。
激しいスポーツをするような人はコンタクトレンズが外れてしまったりメガネが邪魔になったりしますが、裸眼で過ごせるのならそのような煩わしさからも解放されますので、日中の活動の制限もなくなります。
まずは専門医へ相談を
利用方法を知りたければカウンセリングに出向くと教えてもらえますので、興味を持ったらまずは相談に行くことをおすすめします。
定期検査は1日後・1週間後・1カ月後とかなりこまめに行われ、安定した後も3カ月に1度は診てもらうことが大切です。