パソコンや薄型テレビ、スマートフォンにタブレットなど、現代の人間の生活には目に強烈な光で影響をもたらす家電製品がたくさんあります。
最近よく”目に悪い”として聞くようになった言葉に「ブルーライト」がありますが、「ブルーライト」自体は自然界に存在する明かりでもあり、人間にとって恐怖となってしまう部分と、日常生活を営む上で必要な部分と両面を持ち合わせている”明かり”でもあります。
このサイトで問題視しているのは、このブルーライトを人工的に作り出した、いわば”人工ブルーライト”であり、その予防と対策、どのように付き合っていくべきかを考えてきました。
テレビはブラウン管より進化しましたが、プラズマテレビ、有機EL、液晶と、時代の流れに伴い、更なる進化を遂げています。
おそらく皆さんのご自宅にあるテレビは、既に殆どがLED液晶テレビではないでしょうか?
そんな身近なLED液晶テレビとブルーライトについて綴ってみたいと思います。
LED液晶テレビから危険なブルーライトが出ている?
結論からお伝えすると、LED液晶テレビからも人工ブルーライトの光は出ています。
ブルーライトは目に見える光という意味の可視光線の一つで、380~500nm(ナノメートル)の波長域の青い光の事です。
可視光線の中では最も紫外線に近く、その性質も紫外線に最も近い、とても強い光のことですね。
そして「青」は他の光よりも波長が短い色なので、空中に漂っているほこりなどで光が散乱しやすいという特徴もあります。
但し、ここが大事なところですが、基本的には380~500nmの波長域の明かりをブルーライトと名付けただけですから、LEDに限らず殆どの”明かり”にブルーライトは含まれているのです。
ただ、特に青色LEDの光をベースとした光源で”白”を作った光源を採用しているテレビは、昨今様々なニュースでも迷走を続けているといえる、まさしく人工ブルーライトの光を使っているテレビであり、それがLEDの液晶テレビなので、毎日かなり頻繁にテレビを観ている人にとっては、人体に様々な影響がある可能性もあると言えるのです。
だからと言って、それをそのまま「危険」と断定できるかと言うと、そうではありません。
LED液晶テレビから発せられるブルーライトとは
以前、非LEDテレビとLED液晶テレビで同じ明るさの白一色の画面を表示したとして、LEDであるかないかで数倍のブルーライトの量の違いがあったという実験結果を目にした事があります。
しかし、この実験はその言葉の通り受け止めてしまうと、誤解を招く恐れがありますよね。
そもそも今の時代においてテレビと言っている、薄型のディスプレイの構造について、簡単に知る必要があります。
これが全てではないのですが、基本的な液晶、有機EL、プラズマの画面がどのようになっているのか、光源の構造を比較してみると、以下のようになっています。
出典:EDNiapan
まず解り易く分けますと素子そのものが光る”自然発光型”か、バックライトの光を当てて色を作り出す”受光型”か、という大きな違いがあります。
そしてこの絵を良く見て頂くと、気がつくことがありませんか?
そうです、「LED」という言葉が出てきませんよね?
では「LED」はどこに使われているのかと言うと、液晶テレビの強い光を作り出している、”バックライト”が白色LEDなのです。
このバックライトに使われている白色LEDが、このサイトで問題視してきた”青色LED+黄色蛍光体”という構造を持つ人工ブルーライトで擬似的に白を作り出しているので、ここに多くのブルーライトが含まれています。
つまり、青という色がある以上ブルーライトはどのテレビにも含まれているのですが、このバックライトに使われている白色LEDが、純粋な白ではなく、青色LED+黄色蛍光体という構造から作り出された白であり、これがテレビの画面全体のバックライトとして使われているために、LED液晶テレビからは多くのブルーライトが検出された、というわけです。
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有機ELとLED液晶テレビでは何が違うのだろうか
よくスマホの画面で有機ELという言葉が登場してくるので、有機ELという名前を知っているという方も多いのではないでしょうか?
有機ELは「有機エレクトロ・ルミネッセンス」(Organic Electro-Luminescence)と言って、ある特定の有機化合物に電圧をかける事で素子そのものを発光させるので、構造がシンプルで画面を薄く出来るんですね。
解り易くLED液晶ディスプレイと比較した図を見つけましたので、以下のようになります。
出典:価格.comマガジン
スマホに有機ELが採用されているのは、薄くする事が出来て、低消費電力、そして鮮やかな色表現が出来るからなんですね。
それならばテレビにも普及させれば良いのでは?と思いますよね?
この有機ELは自発光であるがゆえに、実は大型化するには超えなければならない難関が多いのです。
実際有機ELでのテレビというのもありますし、それを最初に世に発表したのがソニーでしたが、それでも大型化にはまだ高いハードルを越えなければなりませんでした。
それが「コスト」と「明るさ」になります。
そしてそれを解決し大型テレビで主流になっているのが、LED液晶テレビという事になります。
ここでも根本的なところで登場してしまうのですが、最も大きな理由は「製造コスト」です。
LEDのバックライト方式になりますと、昔の蛍光管に比べると、薄くする事が出来て、低消費電力で、更に「青色LED+黄色蛍光体」という組み合わせにより、高出力の光を作り出すことが出来ます。
なによりも、大画面化していくテレビの流れの中では、このLED液晶テレビは実に優秀で開発に適していたんですね。
その結果テレビ画面そのものが人工ブルーライトの巣窟になってしまったわけですが・・・
LED液晶テレビを観るのに気をつけたいこと
LED液晶テレビに使われているバックライトが、実は人工ブルーライトを多く含む”明かり”である事を説明しました。
ブルーライトは可視光線の中でも波長が短いために紫外線のような強いエネルギーをもっていて、このような強いエネルギーをもつ光を目に浴びることで角膜や水晶体で吸収が間に合わず、網膜の奥まで直接光が届いてしまいます。
これは刺激が強すぎるので、結果として目の疲れや頭痛などの症状が起きる可能性が大きくなるわけです。
しかしながら、テレビの場合は照明と違いいつも光が変化しています。
そして常に観続けているといったものでもありません。
では具体的には人体にどのような影響があるのか、どんな点に気をつけたらよいのでしょうか。
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睡眠障害
LED液晶テレビをを観続けることで気をつけたいのは、まず睡眠障害になります。
人間の眠気を誘う脳内ホルモンのメラトニンの生成が抑制されてしまい、メラトニンの分泌がうまくいかなくなることで寝つきが悪くなったり不眠症に陥ってしまったりするのです。
そして睡眠障害になることで体内時計が狂ってしまいますから、体の疲れがとれなくなったり1日中だるかったりと辛い症状に苦しめられます。
目の疲れ
目の疲れも大きく影響しています。
長時間パソコンやタブレットなどの画面を見ていると、目がしょぼしょぼして何とも不快な症状が出ることがありますが、これもブルーライトが原因の眼精疲労と考えられています。
ほこりなどで光が散乱しやすいということもあり、テレビの画面の前などにほこりが漂うことで画面がちらついてしまって、目は眩しさを感じます。
その時目は元に戻そうとしてピントをあわせるので、調節機能に非常な負担がかかってしまうので注意が必要となるのです。
番組に熱中している場合は自然に瞬きの回数も減るので、乾燥によってより疲れ目の症状が出やすくなるということも覚えておきましょう。
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出来る対策としては、液晶画面の明るさを変更する、休憩を定期的にとって目を休める、専用の眼鏡や保護シールなどを活用する、等があります。
長時間目の疲れを放置していると肩こりや頭痛、吐き気などに悪化していきますので、出来るだけの対策をして無理はせずに1度しっかりと目を休ませる時間を作ることが大切です。
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とは言いながらも、既にこれだけ普及している人工ブルーライトを発する機器に対して、過剰な反応をしたところで、日常生活を快適に楽しく過ごす事が出来なくなってしまっては意味がありません。
つまり、知る事で頭のどこかに「気をつけよう」という意識が働くだけでも、この先1年、2年と経過したときには、きっと何も気をつけなかった人と比べて、大きく差が出てくると私は思っています。
何よりも目を通じて、結果として健康な体を手に入れる事は、これから益々高齢化していく日本において、とても大事な事ではないでしょうか。
今回の記事はLED液晶テレビとブルーライトの関係について綴ってみました。